あふぇりえいと

2010年2月11日木曜日

近江風物詩2010:人形師、東之湖さん(東近江市) /滋賀

近江風物詩2010:人形師、東之湖さん(東近江市) /滋賀
 ◇繊細な作業で宿る“命”

 3月3日の桃の節句を前に、東近江市五個荘竜田町の人形師、東之湖(とうこ)さん(38)の工房で、ひな人形作りが進んでいる。東之湖さんのひな人形はすべて手作り。工房の一角にある展示販売スペースには、西陣織の衣装をまとった人形が並び、繊細でありながら、重厚な雰囲気を漂わせている。

 東之湖さんは、人形師の2代目。京都市でひな人形職人をしていた父布施征男さん(70)の仕事を、幼いころから間近で見て育った。同じ職人になるのは自然なことだったという。高校卒業後、京都や静岡などの職人の下で修業し、腕を磨いた。

 ひな人形は東京や京都の大手小売店に卸しているほか、小売りも手がける。マンションなど、洋室で部屋も狭い近ごろの住宅事情の影響で、近年はコンパクトなひな人形セットを求める客が多いという。そんな注文にもオーダーメードで柔軟に応える。

 人形作りの工程は複雑だ。藁(わら)を和紙で束ねた胴体を作るところから始まる。次に手足となる鉄線を胴に固定。その後、人形用の柄の小さな西陣織で衣装をミシンなどで縫製する。女びなであれば十二単(ひとえ)など、非常に細かい作業が求められる。完成した衣装は胴体に着付け、腕を前に折った姿に整え、最後に頭を差し込み完成する。東之湖さんは「手がすべてを覚えてます」と言い、まめのできた手を見せてくれた。

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